RNGとは?オンラインゲームの公平性を支える仕組み
要点(最初に結論):RNG(乱数生成器)は、ゲームの結果を「予測できない」ように決める仕組みです。オンラインのスロットやカードは、RNGが毎回ランダムに決めます。第三者の監査や乱数テストで公平性が確かめられます。私たちプレイヤーも、証明書やRTPの表示を見て自分でチェックできます。
このガイドでは、RNGの基本、ゲームでの使われ方、公平性の証明方法、チェックのやり方、暗号資産系の「Provably Fair」まで、やさしい言葉で説明します。未成年の方は遊べません。住んでいる国の法律を必ず守ってください。遊ぶときは計画的に。困ったら支援窓口(例:BeGambleAware)を利用してください。
RNGの基本をやさしく解説
RNGとは何か—真性乱数と擬似乱数の違い
RNG(Random Number Generator)は、数字をランダムに作る仕組みです。ゲームはこの数字を使い、リールの止まり方やカードの順番を決めます。
- 真性乱数(TRNG):物理のゆらぎなどを使います。とてもランダムですが、速さやコストの問題があります。
- 擬似乱数(PRNG):数学の計算で作ります。とても速く、ゲームでよく使われます。よいPRNGは、人間にはランダムに見え、統計テストにも強いです。
シード(seed)とエントロピーの役割
シードはPRNGの「はじまりの値」です。シードが良くないと、出てくる数字に偏りが出ることがあります。そこで、OSの乱数やデバイスの情報などのエントロピーを集めて、シードを安全に作ります。良いシード管理は、公平性の土台です。
代表的なアルゴリズム
- Mersenne Twister:高速で広く使われます。ゲームの一部でも使われますが、暗号目的には向きません。
- Xorshift / PCG:軽くて速いPRNGです。ゲームで使いやすいです。
- CSPRNG(暗号学的PRNG):安全性が高く、予測がとても難しい乱数です。セキュリティ重視の場面に向きます。参考:NIST SP 800‑90A
オンラインゲームにおけるRNGの役割
スロットやテーブルゲームでRNGが決めていること
スロットでは、RNGがリールの止まる位置を決めます。カードゲームでは、シャッフルの順番を決めます。毎回、直前の結果は関係なく、新しい計算で決まります。機械やディーラーの気分は関係しません。
RNGとRTP(還元率)・ハウスエッジの関係
RNGは「どれが当たるか」をランダムに決めます。RTPは「長い期間でどれくらい戻る設計か」を表す数字です。設計は人が決めますが、その結果が正しく出るようにRNGが働きます。RTPの説明は運営のページやゲーム内に書かれます。参考:UK Gambling Commission
「偏り」の誤解
ランダムでも、たまたま似た結果が続くことがあります。これは普通のことです。続いたからといって、不正とは限りません。長い回数で見ると、確率に近づいていきます。
公平性はどう検証されるのか
第三者監査と認証
信頼できる運営は、外部の検査機関の監査を受けます。例:
- eCOGRA(監査・認証・ADR)
- GLI(Gaming Laboratories International)(標準と検証)
- iTech Labs
- BMM Testlabs
監査では、RNGの実装、ログ、ビルド管理、配布プロセスなどもチェックします。GLIの標準一覧はこちら。
乱数検定(NISTなど)とレポートの見方
検査機関は統計テストで乱数を確認します。代表例はNIST SP 800‑22です。周波数、ランの数、ブロックの偏りなどを検査します。レポートでは「パス/不合格」「p値」「サンプル数」「バージョン」「日付」を見ます。
ライセンスと規制当局
運営は国や地域のライセンスで管理されます。代表的な規制当局:
- UKGC(英国)
- MGA(マルタ)
規制当局は、RNGの監査、RTPの表示、苦情窓口などを求めます。ライセンス番号や会社名が公式サイトで確認できます。
プレイヤーが自分で確認できるチェックリスト
- 監査バッジ:フッターにeCOGRAやGLIなどのロゴがあるか。ロゴをクリックして、証明書のページに飛べるかを確認。
- RTPの表示:ゲーム内やヘルプにRTPが書いてあるか。数値と最終更新日があるか。
- ルールと配当表:わかりやすい説明があるか。サポートに聞いたら答えが返るか。
- セキュリティ:URLがhttpsか。鍵マークが出るか。プライバシーポリシーがあるか。
- 責任ある運営:入金上限、自己除外、年齢確認、支援リンク(例:BeGambleAware)が見やすい場所にあるか。
- 会社情報:運営会社名、住所、ライセンス番号、連絡先が明記されているか。
レビューの基準や比較をまとめて見るなら、第三者の解説ページが便利です。編集方針と評価軸が明確で、監査証明やRTPの出典にリンクしているサイトがよいです。例:Gambleinvestigations.com(英語)。
開発者・事業者向けメモ:RNG実装と運用のベストプラクティス
- サーバーサイドで統一:RNGはサーバー側で一元管理。クライアントに秘密情報を置かない。
- CSPRNGを採用:可能ならCSPRNGを使う。OSの安全な乱数APIを活用。参考:OWASPガイド
- シード管理:高エントロピーで生成。ローテーションと監査ログを実施。アクセス権限を最小化。
- バージョン固定:RNGのライブラリと設定をバージョン管理。変更は承認制。監査可能なログを保存。
- レイテンシと冗長化:負荷時も一貫した結果が出るよう、キューやフェイルオーバーを設計。
- 第三者監査:GLIやeCOGRAなどの監査を定期受検。標準(例:GLI Standards)に合わせる。
暗号資産系の「Provably Fair」とは
サーバーシード・クライアントシード・ノンスの仕組み
一部の暗号資産系サイトは「Provably Fair(検証可能な公平性)」を使います。おおまかな流れはこうです。運営はサーバーシードを持ち、プレイヤーはクライアントシードを設定できます。各ラウンドにはノンス(回数のカウンタ)がつきます。結果は、これらをハッシュ関数で混ぜて作ります。
ハッシュでの検証(HMAC‑SHA256など)
多くのサイトはHMAC‑SHA256などを使います。ハッシュは一方向で、改ざんが難しいです。参考:NIST FIPS 180‑4(SHA) と RFC 2104(HMAC)。プレイ前にサーバーシードのハッシュが公開され、プレイ後にシードの中身が公開されます。あなたは、自分のクライアントシードとノンスと合わせて、同じ結果になるかを検証できます。
偽物の「Provably Fair」を見抜くポイント
- ハッシュの方式と手順が公開されているか。
- 検証ツールやGitHubのコードがあるか。
- 第三者の監査や署名があるか。
- 結果が後から書き換えできない設計か。
よくある誤解と神話の検証
- 「夜は当たりやすい」:いいえ。RNGは時間に関係なく動きます。
- 「続けて外れたから次は当たる」:いいえ。各回は独立です。
- 「アプリを再起動すると運が変わる」:いいえ。サーバー側のRNGが決めるので、端末再起動は関係ありません。
- 「同じ台は学習して吸い込む」:いいえ。RNGは学習しません。長期のRTP設計に従うだけです。
ミニケーススタディ:監査済みゲームでの確認フロー
- 運営サイトのフッターでeCOGRAやGLIのロゴを見つける。
- ロゴをクリックし、あなたが遊ぶブランド名とライセンス番号が一致しているか確認。
- ゲーム画面の「情報」→「RTP」の数値と最終更新日をメモ。
- サポートに「RNGの監査日」と「最新のRTP変更有無」をチャットで質問。回答とサイト表記を照合。
この4手順で、多くの不安は解消できます。食い違いがあれば注意しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q:RNGは本当にランダムですか?偏りは不正ですか?
A:統計的に十分ランダムです。短い区間で偏りが見えるのは普通です。長期では設計どおりに近づきます。第三者のテストが鍵です(NISTテスト)。
Q:RNGとRTPの違いは?
A:RNGは毎回の結果を作る仕組み。RTPは長期の設計値。役割が違います。
Q:ライセンスがあれば必ず安全?
A:安全の条件が整いやすい、という意味です。実際は「ライセンス+監査証明+透明な表示」をセットで確認しましょう。参考:MGA、UKGC。
Q:Provably Fairは本当に自分で検証できますか?
A:手順とコードが公開されていれば可能です。ハッシュの再計算で確認できます(HMACの仕組み)。
Q:監査ロゴは偽物もありますか?
A:あります。必ずロゴをクリックし、監査機関の公式サイトで会社名とURLが一致するか確認してください(例:eCOGRA公式)。
まとめと次のステップ
- RNGは公平性の心臓部。毎回の結果を独立に決めます。
- 公平性は「第三者監査+乱数テスト+ライセンス」で裏づけされます。
- 私たちは「監査証明」「RTP表示」「会社情報」「責任ある運営」を自分で確認できます。
次の一歩として、あなたが遊ぶ前に上のチェックリストを使ってください。疑問があれば、監査機関の公式ページ(GLI Standards、eCOGRA)や、分かりやすく整理した外部のレビュー解説(例:Gambleinvestigations.com)を参考にしましょう。プレイは計画的に。未成年は利用できません。居住国の法令を守ってください。
参考リンク(公式・技術文書):
・NIST SP 800‑22:Random Bit Generation
・NIST SP 800‑90A:Recommendation for Random Number Generation Using Deterministic Methods
・FIPS 180‑4(SHA):Secure Hash Standard
・RFC 2104(HMAC):HMAC: Keyed-Hashing for Message Authentication
・GLI Standards:Gaming Laboratories International
・eCOGRA:eCommerce Online Gaming Regulation & Assurance
・iTech Labs:iTech Labs
・BMM Testlabs:BMM
・UK Gambling Commission:UKGC
・Malta Gaming Authority:MGA
・OWASP:Cryptographic Randomness Cheat Sheet

